研修の内製化は、何のために行うのか?
こんにちは。今日は、研修の内製化の目的についてお伝えしたいと思います。
リーマンショック後の景気回復とともに、多くの企業が研修の内製化を手放した最大の要因は、「コストを削減する」という目的のためだけに、研修の内製化を導入してきたことです。
コストを削減するためだけに研修を内製化することで、果たしてどれだけの人がポジティブに関わることができたかとういと、回答としてはやはり難しかったということになります。もちろん経営層がコスト削減のために教育を内製化すること自体は否定しませんし、内製化を推進する一つの目的とすることに異論はありません。しかし、それだけではやはり上手く機能しないのです。
責任者クラスが、そもそも「何のために研修を内製化するのか」について、周囲を巻き込みながら議論し、繰り返し発信していくことがとても大切です。例えば、学びあう組織を創りたい、フィロソフィーを浸透させたい、変化に対応できる人材を創りたい、社内ノウハウを全社に還流させたい、育成環境を強化したいなど、会社の置かれた状況を鑑みて目的を定めましょう。
なぜなら、多くの社員が研修の内製化に関わりたいと思えることが最も大切だからです。担当者レベルの本音では、内製化より外部の研修会社に講師業務をお願いできるのなら、そっちの方が「オペレーション的に楽だ」と感じる人が多い、というのが実態ですので、責任者クラスの強力な発信が必要となります。
社内に眠る資産を見える化し、それを教えることを通じて「人を育てる人」を増やすことを投資と捉え、金額換算することのほうが、「コスト削減」よりも大切です。研修を内製化するということ自体は、ある意味覚悟が問われるので、社員の可能性を信じ、本気で内製化を通じて人材育成をしていこうと主管部門が腹をくくれるかどうかがとても大事なポイントとなります。一歩踏み出してみると、内製化自体はそんなに難しいことではありません。これは、私自身がソフトバンクのなかで実現してきたことなので断言できます。
実現に向けて必要なのは、まず初めに、なるべく多くの人を巻き込みながら、誰しもが参画したくなるような目的、ビジョンを語れるストーリー、企画案を創ることです。それをもって、上層部をどれだけ巻き込めるかがポイントとなるのです。
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