アクティブラーニング社内講師編<クラス全体をリードし続ける方法>①

お読みいただくにあたって

今回は新人研修において、PBL型(プロジェクト
・ベースド・ラーニング)のアクティブラーニン
グを進める際の講師スキルについて2回にわたっ
て述べて参ります。

初めて新人研修で社内講師を担当する人が、絶対
に意識すべきことが基本中の基本事項が2つあり
ます。1つ目は、クラス全体をリードし続ける
と。そして、2つ目が、研修のオープニングで新
人の学習意欲を向上させる
ことです。

 

 

研修をリードし続けるために

では、1点目から説明します。まず、クラスをしっ
かりとリードし続けることは以外と難しいもので
す。例えば、それが難しい場合のクラスの特徴と
しては、元気で自由すぎる雰囲気の時です。その
際に、社内講師のキャラクターがそれとは逆の、
少し静かで、遠慮がちで叱れないタイプの社内講
師は注意が必要です。クラスの新人の中には、学
生感覚が抜けない新人もいますし、社会人として
のマナーもままならない者もいます。ですので、
自由気ままにさせてしまい、こちらの思うように
進行が進まないことが起こりうるのです。社内講
師の選定の問題もあるわけですが、これは絶対に
避けなくてはなりません。

特に、グループワークの終了時に、それが顕著に
現れます。例えば、グループワークの作業終了時
間が来て、社内講師が終了のアナウンスをしても、
なかなかやめてもらいない時です。その際に、デ
ビューしたての社内講師は、ベルを何回も鳴らし
てしまったり、もしくは、大声を張り上げてなん
とか終了しようとします。

 

このような時、社内講師はつい他責思考に陥って
しまう
ことがよくあります。「クラスが賑やすぎ
るのは、新人がまだ学生気分から抜け切れていな
いからだ」とか、「新人は、研修に臨む姿勢が甘
すぎる」と言いたくなります。また、うまくいか
ない状況に対して「自分には社内講師は難しいの
かもしれない」と、うまくいかない状況から逃げ
出そうと
する人
もいます。

 

そこで、ひとつ細かいですが、新人との距離を詰
める工夫をご紹介します。よく、講師机が、講師
の立つ前に置いてあり、その机の後ろから社内講
師がしゃべることがあります。このような場合、
社内講師は一向に机の前に出ていこうとはしません。
そうすると、参加する新人にとっては、“なんだか
講師と距離感があるな”と感じがしてしまい、社内
講師と新人との距離ができやすくなります。

 

 

ですから、結果的に教室が新人だけの空間のよう
になってしまい、自由気ままな議論を助長しやす
くなります。対策としては、講師机を取っ払い、
受講者との距離を近づけることがまず必要
となり
ます。社内講師は、自分の前に机がないと不安に
感じてしまうこともあるようですが、その不安は、
参加者にとっての講師への近づきづらさ、距離を
感じるといった声を助長し、より状況が悪くなる
のだと認識してください。

 

 では、講師机をなくしたあとは、どうしたらよ
いでしょうか?例えば、次のようなアプローチが
効果的です。参加者に講義を聞いて欲しい時は、
社内講師は、会場の中央辺りに移動して、教室の
真ん中で話すのも有効です。参加者も講師が近づ
いてくるので多少驚きもありますし、講師との協
力も物理的に近くなるので、聴く意識も高まりま
す。

常に中央でなくとも、教室の後方から話したり、
教室の真ん中の左側から話したり、逆に右側から
話したりと、新人の注意をいろいろな場所に向け
ことで、眠くなりづらくなりますし、講師の話
を聞こうという意識が高まってきます。あとは、
グループで係りを決めて、タイムキーパーがグル
ープでの話し合いを停止させる役割を設けるなど
も考えられます。

 

2点目の研修のオープニングで新人の学習意欲を
向上させる
ことについては、次回お話しします。

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