アクティブラーニング社内講師編<学習意欲の高める方法>②
はじめに
前回に引き続き、新人研修において、PBL型(プ
ロジェクト・ベースド・ラーニング)のアクティ
ブラーニングを進める際の社内講師スキルについ
て述べて参ります。
新人研修で初めてアクティブラーニングの社内講
師を担当する人が、絶対に意識すべき、基本中の
基本事項が2つありることを前回お伝えしました。
まず、1つ目は、クラス全体をリードし続けるこ
と。そして、2つ目が、研修のオープニングで新
人の学習意欲を向上させることです。
今回は、上記2点目である、研修のオープニング
で新人の学習意欲をいかに向上させるかについて
述べていきます。オープニングとは、研修開始時
のことを指します。
オープニングでつまずくと、1日を通じて研修が
うまく機能しなくなることがあります。研修にお
けるオープニングはどのような点に意識して進め
るとよいのでしょうか?ここでは、
1)関係性の構築
2)学習の雰囲気作り
3)目的の打ち込み
についてそれぞれ説明していきます。
まず、1)関係性の構築です。最初に会社の先輩
としてクラスの新人に自己紹介をします。自己紹
介で話していただきたいことは、現場でやってい
る仕事のこと、自身の趣味などのプライベートの
こと、そして、新人のみんなと共に頑張っていき
たいという想いを伝えてください。
ここで勘違いしてはいけないことは、先輩だから
といって、いいところを見せなくては!と気張ら
なくても大丈夫だということです。“全てを完璧に
教えないといけない”、”全ての質問に的確にその
場で答えられないといけない”と思いすぎると、
かえってうまくいかなくなります。
職場でも全ての先輩が、常に正しく答えられるわ
けではないはずです。わからないことは調べて回
答しても全然構わないのです。それよりも、この
クラスをよくしていきたい、現場に行って、新人
のみんなに活躍してもらいたい、そのためにしっ
かりとみんなを支援したいという想いを伝えるこ
との方が大切です。これらのことを冒頭の段階で
伝えることで参加者との関係性が構築できます。
気楽に自己紹介してください。
その上で、2)学習の雰囲気作りです。ここま
では、社内講師の自己紹介を通じて一方的に学習
する雰囲気を創ろうとしてきたわけなのですが、
ここからは、参加者同士の自己紹介やアイスブレ
イクで参加者同士が打ち解けられるようにナビゲ
ートしていく必要があります。
最後に、3)目的の打ち込みです。これは社内講
師としてとても大切なポイントです。新人研修に
おけるアクティブラーニングの意味や議論するテ
ーマの意図などを丁寧に説明する必要があります。
それらを新人に考えさせるのも一つの手でしょう。
新人が、このアクティブラーニングに意味を感じ
られ、”現場に行って役立つものなんだ”、”一生懸
命チームに関わってみよう”、”このテーマで議論
してみたい”と研修開始の段階で思ってもらえるよ
うにリードしてください。
以上、前回と今回で2点に分けて、アクティブラ
ーニングに初めて登壇する際の社内講師として意
識することについて説明してきました。いかがで
したでしょうか?
あらためて、アクティブラーニングとは、講師対
参加者という構図ではなく、参加者が中心になっ
て、主体的に学習を進めていく形式です。したが
って、講師はより、参加者のなかに入り込み、一
緒になって考えたり、時には、全体を俯瞰してみ
たりする役割が求められます。
ですので、導管型で一方的に何かを教える形式で
はありませんので、いっしょになって進めていこ
うというマインドでぜひ臨んでいただければと思
います。