研修転移の理論と実践③:やる気の低い参加者対応と現場負荷の軽減

こんにちは。

いつもお読みいただきありがとうございます。

前回に引き続き、慶応丸の内シティキャンパスの
ラーニングイノベーション論
「研修転移の理論
と実践」に登壇した際に、受講者のモチベーション
についての質問と現場負荷の軽減法についての
質疑
が多かったので、それについて記載したいと思います。

https://www.keiomcc.com/program/lin19a/

<参加者からの質問>
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・モチベーションが低い人にどうモチベーション
 を持ってもらうか

・そもそもマインドが利己的なのでは?

・研修への動機付け(職場の動機付け、上司の姿勢)

・参加する段階でのモチベーションの上げ方

・現場の忙しさ

・現場からの「意味あるの?」
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

<私からの回答>

■そもそも研修参加者の動機付けをどう考えるのか?


そもそも、強制的にやる研修と自発的にやらせる
研修をしっかりと吟味して分類することが大切
です。

強制的にやらせる研修は、強制でもさせる理由が明確で
あり、大義名分があることが大切です。今実施している
強制実施の研修が、本当に実施する意味があるのかどう
か、今一度問い直す企業が増えています。

その中でもJCB様は、階層別研修を思い切って
6割削減し、手挙げ研修に大きく舵を切った会社
です。
強制研修を大幅に少なくし、本人の自主性に任せる形式の
比重を高める受講方式を導入する企業が最近増えています。

詳しくは、以下のダイヤモンドオンラインにJCBさまと
弊社島村との対談記事がありますので、ご覧くださいませ。

タイトルは、
JCBの決断、全員参加型研修を6割減らし競争力の
ある強い会社へ
”となります。
https://diamond.jp/articles/-/178814

最後に、研修の前段階で、講師からメッセージ送るなど
を実践している会社があります。ビデオクリップや
メールなどで研修の目的などをお伝えし、モチベーション
を上げる取り組みです。

 

4.研修における現場負担の軽減とケアについて

<質問一覧>
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
・現場に負担をかけてしまはないか?アンケートなど

・研修は理想を話すが、現場には、理不尽な現実がある

・現場はとても忙しい

・現場のケアが必要

・研修での学びを受講者の周辺にどう展開させるか?
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

<回答>

■人材開発部門が忙しいからこそ、研修転移を意識した
 研修実施の取捨選択が必要

全ての研修を、研修転移を意識した研修にするのは
現実的ではありません。どの研修を行動変容まで
追いかけるのかという取捨選択が必要になります。

そして、研修転移を意識した研修を実際に始める時、
最も多いアプローチが、事前課題や事後課題で
上長になにがしかの協力を求めるというアプローチです。

この際のポイントは、主管部門から上長に直接依頼
して協力してもらうのではなく、
例えば、参加者
である部下から上司に事前課題についてヒアリング
させるなどの工夫をします。

そうすると、部下が必死になってやっているので、
¥上司としては同じ負担ですが、
気持ち的に協力しやすくなるのでオススメの方法です。

 

■現場が忙しい中での巻き込みと協力依頼のコツ

”研修転移を意識し、効果測定を追いかけるアプローチ”
においては、現場へ負荷を強いることになります。
現場へのアンケートも一律に全員に行うと負荷が
かかるので、まずは、協力してくださる一部の方から
スタートするのも一つの方法です。

”研修での学びや気づきを周辺にどう展開するか”に
ついては、研修に参加した社員は、そのサマリーを
課内会議の時間を活用して、メンバーにシェアする
ことを義務付けるなどするのが有効です。

”双方忙しい状況の中で、職場を巻き込む”には、
職場が関わるメリットをどれだけ示せるかです。
例えば、教育の主管部門がコンプライアンス部門に、
コンプライアンス研修のeラーニングの内製
コンテンツ開発を依頼するとします。

その際に、教育の主管部門は、コンプライアンス
違反が減ることの当該部門にとっての重要性を訴えた
結果、コンテンツ開発に積極的に関与してくださる
事例があります。教育主管部門もコンプラ部門側も
双方がWIN-WINになり、コミットメントを引き
出せるような交渉力が教育部門に求められます。

ここまで役割分担ができれば、参加者本人の
フォローをどこまでするのかについてもスムーズな
議論になります。

本日もお読みいただき、ありうがとうございました。

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